2021-12-19 それでも 美しく咲く花の苦しみを、我々は想像することすらできない。 私は私を生きることしかできない。 他者と自己の間には、深淵が横たわっている。 痛みというものは、個人的なものでしかありえない。 悲痛は肉体と可能性を滅ぼしてもなお、そこに漂う。 誰にも理解されない悲痛。 誰も理解できない悲痛。 現実を前に、呆然とすることしかできない。 意味もなく空は青く、意味もなく雲は流れる。 誰かの止まった時間を置き去りにして。