けしのはな

沈黙を舌で味わう

2023-01-01から1年間の記事一覧

祈り

濡れたアスファルトが乾く その短い時間に 生まれて死んだ あなたの祈りは 干からびた向日葵の 追憶の中に眠っている 祈りはやがて 土に還り 地球の中心まで落ちていく 重力が収斂する地点で その一点で あなたの存在のそのすべてが 宇宙のすべてになる あな…

11/5

コロナになった。 人生で、というか今年に入って二回目だ。 チェコフェスという、会社にとっても大事なイベントの直前で体調を崩し、多少動けるようになったかと思えば、陽性だとわかって家から出られなくなってしまった。 「これから頑張るぞ」と意気込んで…

9/27

紙の日記にすることにしたので、しばらくは更新しないことにしました。 みんなに見てほしい記録と、自分の為だけに記していたい記憶とがあり、後者をモノとして残したい気持ちになったので。 みんなに話したい記憶とか考えは、みんなに会って直接話したいな…

9/26

わたしが誰かのことを知ろうとしても、すべてを知ることなんてできない。 わたしたちは、コミュニケーションを取る人の数の面を持つ、不思議な多面体。 同時空間にて、私の肉体の位置から他の誰かが全く同じ月を見ることはできない。 月は地球上の観測者分の…

9/24

昨日のお散歩の備忘録です。 彼岸花を見に、小石川植物園に行きました。 雨上がり、彼岸花には水滴がついていました。 葉のない真っ直ぐな茎の上に燃える灯火ような花が咲いているのを見ると、なんだか此岸ではないところへ導かれている気分になりました。 …

9/22

「オタク」という言葉について。 わたしは、自分がどうしようもないオタクだと感じると同時に、自分は絶対オタクではいられない、という相反した実感がある。 わたしは自分の好奇心に忠実に生きているし、興味あることを深掘りしてしまう。 そういう意味では…

9/21

特定の過去に執着することによって、わたしは何を守ってきたのだろう。 過去を組み換え、時には塗り直しながら大きな建造物を作り上げる。 その中に立てこもることで、現在や未来から目を逸らす。 その建造物は美しい記憶だけで構成されているわけではない。…

9/20

色彩豊かな過去も、光の届かぬ未来も、それぞれが強い引力を持っている。 どちらに引き寄せられてしまうかというのは人によって異なる上に、その引力の強さも変わってくる。 過去に引き寄せられたとしても、それが甘美な故郷としてわたしを呼ぶのか、それと…

9/17

気温は高いが、夏はもう空っぽになってしまった気がする。 残った薄い殻が、段々と崩れていく過程を秋と呼ぶのかもしれない。 もしくは、「秋」が充満するのだろうか? ともかくも、今はなんだか夏でも秋でもない何かだと感じてしまう。 この時間になにか名…

9/10 日記

体調を崩し、自らの力で身体をコントロールできなくなった。 すると途端に、身体は「世界の側」へ遠のいてしまう。 そもそも身体は「世界」に属しているというのに、私は何を思い上がっていたのだろうか? 病とは、「私」という不自然な自意識から、身体を剥…

9/5 日記

「身の程を知る」という言葉に、僕はどれだけ縛られていただろうか? それと同時に、どれだけ救われてきただろうか? 必死に時間の流れに食いついていきながら、過ぎていく日々が零れ落ちていくことに対しても焦りを感じる。 自分が驕り高ぶることができない…

世界のなかに融け出して

1年前の自分が今の自分を見たら、どう思うだろうか? まさかバーで働いてるとはつゆも思わないだろうし、そもそも「忙しくも充実した日々」を送っているなんて、想像つかなかっただろう。 1年前の自分といえば、自由に閉じ籠もり肥大化したエゴを持ったま…

愛することについてのメモ書き

誰かをほんとうに愛するとき 僕は僕の名前を忘れられる 君が僕の名前を呼んでくれるたびに 僕は僕を愛してしまう 僕が望むことはひとつ 君が僕を忘れ去ること 名前のない愛を、ただ 雨のように君に降らせたい 今まで僕は僕だったので 君を愛するポーズで僕を…

蕾のまま

毒を吸い咲いた花は 棘を誇る わたしの棘は わたしの維管束を 刺す 太陽は 日陰にわたしがいることを 許してくれない 日陰や コンクリートの隙間に 育つ彼らは きっとわたしを殺したい 彼らがわたしを殺せるなら どんなに良かっただろう? 春も近づき わたし…

目を逸らし続けて

昔から、僕は弱虫で、怖がりだった。 見たくないものからは目をそらし続けてきた。 それでも周りがどうにかしてくれたり、自分の器用さみたいなものでカバーしてきた。 社会人になってもうすぐ一年が経つ。 今まで通り、僕は見たくないものから逃げ続けてい…

消えてしまえたら、いいのに

美味しい曖昧というアイドルを見てもうすぐ半年が過ぎようとしている。 つまり、初めてアイドルのライブに行ってから、半年が経つのだ。 無味乾燥な日々は潤い、流れるスピードも光の如く加速した。 それだけライブが楽しくて、ライブのある週末を待っている…