けしのはな

沈黙を舌で味わう

2022-01-01から1年間の記事一覧

生活習慣病

獣にふさわしい仕事からは、たくさんの富がつみかさねられるが、みじめな生活が結果する。 ーエピクロス 労働者となった。朝起きるたび、労働した昨日の記憶が、まるで可笑しな夢のように感じられる。それほどまでに非現実的な日々は、およそ二週間分が積み…

氾濫

(ふと) 追憶の川が逆流する。 汎ゆる思考を飲み込み 逆流する。 灯りかけた小さな炎をかき消し 全てを紫色に濡らす。 (堤防を越えて) 逃げ遅れた人々。 悪霊憑きの豚の群の様。 破滅の道をひた走り 飛び降りる。 (Стихия) 文明は水没する。 川は血が滲…

ジャズ

臀部 臀部 臀部 臀部… しかし収集つかぬ精神修行 愚鈍 愚鈍 闘いと、歌… ウパニシャッドを消化した 四季 四季 四季 四季… うららかな春の哲学! 血 知識 血 知識… どこにも届かぬ去勢馬の夢 臀部 臀部 臀部 臀部…

反ノスタルジー主義 宣言

私は反ノスタルジー主義を標榜する。 それはつまり未来主義であり、過剰なまでの現実主義であり、古い秩序の破壊を目論む前衛的立場である。 振り返ってはならない。オルフェウスよ!お前が愛した女などどこにもいないのだ。 過去とは、未来に照らされたわが…

ウヰスキーの瓶が空になるとき

きっと貴方は驚くだろう ウヰスキーの瓶が空になるとき 愛は無尽蔵だと信じる貴方は 驚くだろう それは循環せず 常に過剰だ バタイユの見た夢 ノスタルジイ・オブ・エコー 耳に入らぬ 泉に顔を近づけて 花になった! 貴方がいつも言うように それは一輪の生…

メタファーの螺旋階段を上って

卒業論文の進捗が芳しくない頃、頻繁に散歩をしていた。これはその頃の話。 僕は糺の森を歩いていた。徹夜明けだったのか、陽が昇って間もない時間帯だったことを覚えている。秋と冬の境に伸びる真っ直ぐな参道を歩く。赤く染まったギザギザの梢が淡い空色を…