けしのはな

沈黙を舌で味わう

蕾のまま

毒を吸い咲いた花は

棘を誇る

 

わたしの棘は

わたしの維管束を

刺す

 

太陽は

日陰にわたしがいることを

許してくれない

 

日陰や

コンクリートの隙間に

育つ彼らは

きっとわたしを殺したい

 

彼らがわたしを殺せるなら

どんなに良かっただろう?

 

春も近づき

わたしという花を

開かねばならない

 

このまま、

 

蕾のまま地に落ちて

分解されるなら

如何ほど幸せだろうか