体調を崩し、自らの力で身体をコントロールできなくなった。
すると途端に、身体は「世界の側」へ遠のいてしまう。
そもそも身体は「世界」に属しているというのに、私は何を思い上がっていたのだろうか?
病とは、「私」という不自然な自意識から、身体を剥がす現象なのかもしれない。
言い換えれば、「私」自体が「病」であり、その病に対する治癒として身体の不調が訪れるのかもしれない。
「私」という自意識だけが、この世界にとって必要ないものなのだろう。
「存在する私」という私の罪は、この世界を淀ませている。
しかし、私の自意識もまた夢見ている。
どこまでも透き通る、美しい「私」を…。