けしのはな

沈黙を舌で味わう

9/17

気温は高いが、夏はもう空っぽになってしまった気がする。

 

残った薄い殻が、段々と崩れていく過程を秋と呼ぶのかもしれない。

 

もしくは、「秋」が充満するのだろうか?

 

ともかくも、今はなんだか夏でも秋でもない何かだと感じてしまう。

 

この時間になにか名前をつけたのなら、今もその名前の季節で充満することになるのだろうか?

 

空っぽに名前をつければ、それは空っぽではなくなるのか?

 

 

✚✚✚✚✚

 

 

僕の一番好きなジャズスタンダードの一つで、「惚れっぽい」なんて邦題がある。

惚れっぽい人ほど心の中は空っぽで、流入した誰かのことを「全て」だと思ってしまうのかもしれない。