けしのはな

沈黙を舌で味わう

世界のなかに融け出して

1年前の自分が今の自分を見たら、どう思うだろうか?

 

まさかバーで働いてるとはつゆも思わないだろうし、そもそも「忙しくも充実した日々」を送っているなんて、想像つかなかっただろう。

 

1年前の自分といえば、自由に閉じ籠もり肥大化したエゴを持ったまま社会に出て、発散できていなかったフラストレーションが爆発してしまっていた頃だった。

 

「無責任」に根を張っていたエゴは、社会という土壌に馴染めるはずもなく、腐っていた。

 

次第に強固になっていく心の外殻が、その発酵を促進させていた。

 

 

推しや今の仕事に出会って、その殻に風穴が開いた。

 

腐臭が抜けるまでには時間がかかったが、僕は今、オープンに世界に精神を曝している。

 

僕が僕を定義してしまうことを、世界に阻まれ続けながら生きている。

 

 

僕の人生は僕だけのものではなくなったし、誰かの人生も同時に僕の人生になっている。

 

僕は世界のなかに融け出している。

 

 

1年前の自分が今の自分を想像できなかったように、1年後の自分は何をしているだろう?

 

何もわからないけれど、まだ世界と混ざり合っていますように。

 

そして、僕の外殻に風穴を開けてくれたあの人を、変わらず愛せていますように。